ダイビング器材とウェットスーツ・ドライスーツのメンテナンス

ダイビング器材を長持ちさせるには、日ごろのメンテナンスが何よりも肝心。これだけは押さえたいメンテナンスのコツをご紹介いたします。

日常のメンテナンスで器材も長持ち

ダイビング器材は日常のメンテナンスで、その寿命が大きく変わります。特に、「真水でよく洗い、塩分をとる」「しっかり乾燥させる」「丁寧に保管する」この3点が重要です。ここでは、主な器材について、押さえておきたいメンテナンスのポイントをご案内いたします。安全・快適なダイビングのために、ぜひご参考になさってください。

ウェットスーツのメンテナンス方法について

ウェットスーツは、カビや臭いのもととなる塩分や汚れをしっかり落とし、完全に乾かしてから、折りたたまずに保管しましょう。

海から戻った後には

  1. まず、軽く水洗いをしてスーツについたゴミや汚れを落とします。特に、ファスナーは塩や砂がかみやすいので、丁寧に洗ってください。
  2. 現地ではじっくり洗えないことも多いので、家に戻ってからは、ひと晩、浴槽の中などで、ぬるま湯に浸けてしっかり塩気をとりましょう。ぬるま湯につけたままの状態で押し洗いして生地の中に染みこんだ汚れを洗い出してください。汚れがひどいときや臭いが気になるときはウェットスーツ用洗剤を使うのもおすすめです。
  3. 生地を痛めますので、洗濯機や乾燥機は絶対に使わないようにしてください。(アムズにも、スーツをボロボロに破って持ってこられたお客さまがいます。)
  4. 乾かすときは、必ず直射日光を避けて、日陰で風通しのよい場所に干してください。直射日光に長くさらすと色落ち・スポンジの硬化を早めます。最初はスーツを裏返して完全に乾かし、次に表に返して乾かします。

保管上のご注意

  • 乾きが足りないうちに保管してしまうと、臭いやカビの原因になりますので、しっかりと乾燥させてから保管しましょう。
  • 保管する際は、スーツをたたまないように気をつけてください。たたんだり、上に重い物をのせるとシワができその部分の気泡がつぶれて戻らなくなります。まっすぐに伸ばした状態で横にして置いておくのがベストですが、場所がない場合はスーツをかけるような肩の厚いハンガーにかけてください。
  • 保管場所は、日光のあたらない冷暗所を選んでください。また、高温多湿は雑菌の繁殖や劣化の原因になります。

最近、ウェットスーツが「きつい」と感じたら

半年、1年ぶりにウェットスーツを着てみたら「少し窮屈になった」と思われる方も多いと思います。 体型に変化がない(太っていない)場合は、スーツのスポンジが硬化したために伸びが悪くなったせいです。 スポンジは、クロロプレンゴムですので年々硬化することは避けられません。 根本的な解決策としてはウェットスーツを新調することですが、次善の策として、ダイビングをしない場合も2~3ヶ月に1度はスーツを着ることです。ウェットスーツを着ることによりゴムが伸び、ゴムの硬化を軽減できます。

スキンスーツの着脱方法

昔は作業ダイバー、海人、リゾートでのガイドダイバー御用達であったスキンスーツも、その保温性と動きやすさから一般のダイバーにも普及してきています。片面にジャージが貼ってあるスーツは「スパッ」と裂けることはありませんが、両面スキンの場合は、その特性を理解していないと「アッ」という間に裂けてしまいます。フラットスキン(滑性剤などが塗られていないスキン)、メッシュスキンは、着脱時に必ずパウダーか水を充分にかけ、すべりをよくしてください。スーツの内側にスプレーすることにより滑性をよくする「するするすぷれー」という商品もあります。

スキンスーツを着るときの注意

裏側がハイブリッドスキン(HS)やリペルサーモスキン(RS)の滑性素材の場合でも、パウダーや水をかけてから着用することをおすすめします。また、スーツをたくし上げるときはスーツの表面をつまみ上げるようにして、絶対に爪をたてて引き上げないでください。爪の傷跡が残ればそこから裂けてくる可能性があります。

スキンスーツを脱ぐときの注意

ダイビング終了後、スーツが充分濡れている状態であれば大丈夫ですが、少しでも乾いたところがあれば、水またはパウダーをかけてスーツ全体を滑りやすくしてから脱いでください。脱ぎ方としては、スーツを徐々に裏返しにするようにしていき、脱ぎ終わった時点では完全に裏返しの状態になるようにしてください。

買い替え・オーバーホールの時期

  • 着心地が悪くなってきたら、もう本来の性能は保っていないと考えてください。
  • カビがあったり、悪臭がするときなどは、ゴムの劣化も引き起こしている可能性があります。
  • ゴムの劣化による割れなどが見られたら、すぐに買い替えが必要です。
  • 何かにぶつかったり、刺さったりしてできた傷・穴などは、修理できる場合がありますので、ご相談ください。

「ペッタンコ」のスーツは命とり

新調したとき5mmのスーツが、使い込んで今は2mm、しかもところどころに破れがあるというスーツを、愛着があるのでと修理に持って来られるお客さまが意外に多くいらっしゃいます。スーツは言うまでもなく、ご自身の身体を寒さやケガから守り、緊急時の浮力確保の面でも非常に大切なものです。「ペッタンコ」のスーツは保温力も浮力もほとんどなく、スーツ本来の役目は果たせません。穏やかな海もいつ牙をむくかわかりません。備えあれば憂いなし。一刻も早く「愛着あるスーツ」とサヨナラしましょう。

ドライスーツのメンテナンス方法について

気密性が必要なドライスーツでは、シール・バルブ・防水ファスナーの塩抜きが肝心です。全体をしっかり洗ったうえで、完全に乾かしてから、折りたたまずに保管しましょう。

海から戻った後には

  1. 海から上がったらすぐに、シール・バルブ(押したり、回したりしながら)・防水ファスナー部分を、流水で念入りに洗ってください。
  2. 現地ではじっくり洗えないことも多いので、家に戻ってからは、浸けおきなどをして、塩をしっかり洗い流してください。
  3. 素材を痛めますので、洗濯機や乾燥機は絶対に使わないようにしてください。
  4. 乾かすときは直射日光を避け、風通しのよいところに干して表側・裏側ともしっかり乾かしてください。
  5. 乾いたらファスナーについた砂などを丁寧に取り除き、ファスナーを閉めた状態で専用のワックス(ロウ)を塗ってください。

保管上のご注意

  • 乾きが足りないうちに保管してしまうと、悪臭やカビの原因になります。特に、裏側は汗で湿っていることもありますので、しっかりと乾燥させてから保管しましょう。
  • 保管する際は、スーツをたたまないように気をつけてください。たたんだり、上に重い物をのせるとシワができ、その部分の気泡がつぶれて戻らなくなります。
  • ファスナーを開けたままの状態で、横に伸ばして保管するか、柄の太いハンガーにかけて通気性のよいところで保管してください。
  • ブーツタイプのドライスーツは、ブーツが床についた状態にして肩に重みがかからないようにするとよいでしょう。

使用後もこんなご注意を

移動時などに、無造作にバッグに詰めていると、ピンホールや破れの原因になります。やさしく仕舞ってください。 また、防水ファスナーは、必ず開けた状態にしてください。

買い替え・オーバーホールの時期

ちょっとした傷やピンホール、シールの劣化、ファスナーの不調などはリペアできる場合もありますが、素材全体が劣化してきたら買い替えが必要です。 また、バルブの調子がおかしいときは、部品の交換が必要になる場合もあります。1年に1度はオーバーホールに出しましょう。

アムズではドライスーツのリペア・オーバーホールもできます。秋から春にかけて使ったスーツに染みこんだ臭いや汚れをきれいに取って、次のシーズンを迎えたいものです。開閉しにくくなった防水ファスナーや塩がみしたバルブもきっちりお手入れさせていただきます。

BCのメンテナンス方法について

BCの内部には塩水が残りやすく、カビや劣化の原因になりがちです。翌日潜らない限り、内部までしっかり洗っておくことが肝心です。

海から戻った後には

  1. まず、ポケットに入っているものは全部出しましょう。ポケットを傷付けてしまったり、拾った貝などが腐ってしまうこともあります。
  2. 水をはった洗い桶に浸け、BCの外側についた汚れを落とします。バックルなどの可動部やポケットの内部もきれいに洗ってください。
  3. インフレ-ターホース(又は AIR2など)のマウスピースに口をつけ、BCを軽くふくらませた状態で、BCの排水口を下に向け、中に溜まった海水を出します。
  4. インフレ-ターホースの根元が外せるものは外して、外せないものは直接インフレターホースのマウスピースから、排気ボタンを押しながらホースで水を入れます。 水が入ったらBCを3と同様の手順で膨らませ、水が全体に回るよう良く振って内部を洗った後、中の水をだします。BCの内部の塩気が取れるまでこの作業を3~4回繰り返しましょう。
  5. 最後に、BCを大きく膨らませた状態で、水が排出されやすくなるように肩口を下にして、日陰干しして下さい。こうすることにより、インフレ-ターホースに水が溜まり排出しやすくなります。一度では、水が出きらないので、数回繰り返し、完全に乾かしてください。 しっかり乾燥させないと、カビや臭いの原因になります。

保管上のご注意

  • 押しつぶさないようにして、丁寧にしまってください。
  • 特に、インフレ-ターホース類を折り曲げたり、根元に負荷がかかるような状態での保管は、厳禁です。

使用上もこんなご注意を

  • 移動中には、インフレ-ターホースをどこかに引っかけたり・折り曲げてしまわないようにご注意ください。
  • 砂がつきやすいので、砂浜にべったり置いてしまわないようにしましょう。

買い替え・オーバーホールの時期

パワーボタンが最近重くなった、知られないうちに少しずつBCにエアーがはいるなど、インフレ-ター何か問題を感じたら、オーバーホールするようにしてください。また、何も問題を感じなくても、2年に1度はオーバーホールに出しましょう。しっかりとしたオーバーホールさえしていれば、寿命も伸びます。

レギュレーター・オクトパスのメンテナンス方法について

レギュレーター・オクトパスは、砂噛みや、内部パーツの錆や劣化が特に心配。真水でしっかり洗い、乾燥させてから、湿気の少ない場所に保管してください。

海から戻った後には

  1. まず、ファーストステージのダストキャップが閉まっていることを確認して、きれいな水にしばらく浸け置きしてから、セカンドステージの砂などを洗い落とします。
  2. ホースの根元にプロテクターが付いている場合は、少しずらして内側も丁寧に洗ってください。この際、絶対に、水につけたままでセカンドステージのパージボタンを押さないよう注意してください。ファーストステージ内に水が侵入して、錆びの原因になります。
  3. 現地の洗い桶の水は塩分が含まれていますので、自宅に帰ってから再度洗うことをおすすめします。ただし、熱いお湯は器材を痛める原因になりますので注意してください。
  4. 乾かすときは、ホースを折らないよう軽く丸めてから、日陰で竿などに干してください。あらかじめタオルなどで水分を拭いておくと、乾きが早くなります。

保管上のご注意

  • 保管の際は、完全に乾いてから、軽く丸めてタオルなどにくるみ、湿気の少ない場所に保管してください。
  • 金属部分にシリコンスプレーをかけておくと、防錆、防触、潤滑にも効果的です。

使用後もこんなご注意を

  • レギュレーターは砂に弱いので、砂地に置いたりはしないようお気をつけください。砂の多いポイントで潜ったときは、流水でよく砂を落としましょう。
  • 旅行などでスーツケースに入れるときは、ホースの根元・ゲージ・レギュレーターに負担がかからないように、慎重にパッキングしましょう。

買い替え・オーバーホールの時期

少しでも何か問題を感じたら、オーバーホールするようにしてください。また、何も問題を感じなくても、1年か100本に1度はオーバーホールに出しましょう。外部は何ともなくても、O(オー)リングなどが傷んでしまっていることがあります。しっかりとしたオーバーホールさえしていれば、寿命も伸びます。水中での大切な生命維持装置ですので、大事に扱ってください。

ダイブコンピュータのメンテナンス方法について

ダイブコンピューターは、スイッチなどの細部にまで塩水が入っています。隙間に塩分が残ってしまいますので、しっかりと真水で浸けおき洗いしてください。

海から戻った後には

  1. まず、軽く洗い流した後、感圧部などに小さな穴があるものは特にその部分をよく流水で流し、たっぷりの水にしばらく浸けおきしてください。
  2. 浸けおきが終わったらタオルなどでしっかりと水気をとってください。

保管上のご注意

  • 乾燥したら、衝撃を受けないよう、丁寧に保管してください。
  • バッグル可動部に金属の芯が入っている場合は、乾燥した後で、防錆潤滑剤を少量付けておきます。
  • ダイビングデータは早めにログブックに記録されることをおすすめします。使用の誤り、強い静電気や電気的ノイズの影響を受けたとき、故障や修理の際に、記録している各種データが消失する場合があるからです。

使用上もこんなご注意を

  • 出発前には早めにバッテリーのチェックを行うことが大切です。電池の交換には、2週間ぐらいはかかりますので、事前のチェックは欠かさないようにしてください。(機種によって、電池交換に必要な期間がずいぶん違うので、買ったお店に確認しておきましょう。)
  • また、ダイブコンピューターの種類によっては、水がついたままだと作動し続けてしまい、バッテリーを消耗してしまうものがあります。濡れたものと一緒に仕舞わないようにしましょう。

買い替え・オーバーホールの時期

電池の消耗を感じたり、センサーに異常を感じたら、オーバーホールが必要です。また、ガラス内面に曇りがあるような場合は、気密性が破られています。修理できる場合もあるようですが、基本的に買い換えと考えてください。

マスクのメンテナンス方法について

マスクでは、シリコン部分の劣化や変色、ストラップの磨耗、保管時の破損などが気をつけたいところ。真水でよく洗って、ケースに入れて保管し、ストラップはこまめに点検しましょう。

海から戻った後には

  1. マスクに砂がついているときなどは、流水ですすぎ落としてから洗ってください。ストラップのバッグルなどは、砂が残りやすいので、動かしながら洗ってください。
  2. 顔の皮脂がつきやすいマスク内部もしっかりとこすり洗いしてください。洗剤が残るとプラスチックを痛める場合があります。
  3. マスクを洗った後は、カビが生えないようしっかりと乾かします。ただし、直射日光に当てたり、ドライヤーなどの高熱を当てるのはやめましょう。変形・変色の元になります。タオルなどでしっかりと水分を取ってから干せば、乾燥も速まります。

保管上のご注意

  • マスクを長期間保管するときは、スカート部分が変形しないように注意しましょう。
  • ウェットスーツなどのゴムとの接触で変色や劣化がおこらないよう、購入されたときのケースに入れておくとよいでしょう。
  • カビが発生した場合は歯ブラシと歯磨粉で落とします。フレーム内部の場合はガラスを外します。ただしフレームを壊す可能性が高いので、慣れている人の指導の基でやるようにしましょう。

使用上もこんなご注意を

  • 曇り止めを唾で済ませている方がいますが、汚れやカビのもとになります。専用の曇り止めを使用してください。
  • マスクは小さくて透明性の高い器材なので、休憩中、浜辺などに置いておくときには、踏まれたりしないように気をつけましょう。
  • 旅行のときは、他の荷物でつぶれないように、マスクケースに入れて持っていきましょう。

買い替え・オーバーホールの時期

マスクで多いトラブルは、透明部の黄ばみと、シリコン本体のストラップの磨耗です。透明のシリコン部分が黄ばんでくるのは日光が原因ですが、シリコンの性能には問題ありませんのでご安心ください。マスクストラップも多くの製品で交換できます。その他の部分に問題があるような場合は、買い替えが必要となります。

フィンのメンテナンス方法について

フィンは、汚れの固着・金属パーツの錆・保管時の変形が気になるポイント。しっかり洗って、塩分を抜いて、型崩れに注意して保管してください。

海から戻った後には

  1. 真水で全体を手でなでるようにしながら洗い、塩をしっかり落とします。特にバッグル部分は塩がかみやすく、金属部品は錆びやすいので、念入りに洗ってください。
  2. 干すときは直射日光を避けて陰干ししてください。フィンはその形がとても大切です。ブレードは変形しないように、フィン先を上に・フットポケットを下にして、壁などに立てかけて干すと良いでしょう。

保管上のご注意

  • 保管は直射日光を避け、メッシュバッグなどに入れ、冷暗所においてください。
  • フィンを保管するときもマスクと同様、型崩れに注意してください。
  • ウレタン素材が含まれたフィンは色移りがしやすいので、他の器材と接触しないように保管してください。

使用上もこんなご注意を

  • フィンは、意外と汚れやすい器材です。汚れがついていたら素早くとりましょう。
  • ストラップタイプのフィンは、ストラップ部分が劣化しやすいので、切れかかっていないかチェックをしてからお出かけください。予備を持っていけば、なお安心です。

買い替え・オーバーホールの時期

各部パーツの状態をこまめにチェックし、異常のあるものは部品交換してください。ご参考までに、フィンで最初に発生するトラブルはストラップの切断か、バックル部分の破損です。